2007年3月24日中大巓・東大巓(大沢下り) (おおさわくだり:吾妻 山形県)
天元台スキー場→人形石→藤十郎→弥兵衛平→山麓牧場→JR大沢駅
大沢下り」・・・知っている人の間では有名かも知れない吾妻屈指のロングルートだ。ちなみに、たぶん、知らない人は全く知らないだろう。
天元台スキー場のゲレンデトップから吾妻の主脈縦走路に出て、そこから弥兵衛平まで東進し、進行方向を北に変え、JR大沢駅に向かって一気に滑るルートの愛称である。
人形石からJR大沢駅まで全長18Km滑降標高差は1500m・・・あまりにも長いので、過去2回ともJR大沢駅に着いたときは「もう、大沢下りはイイヤ」とつぶやいてしまった(苦笑)。
でも、また来たくなるから不思議なルートだ。今回は主脈縦走路上のアップダウン、立岩以降の林道などを快適に進もうと歩行重視とし3pinウロコ板で挑戦してみた。

JR米沢駅前駐車場にRacco号を停めて、一番バスで白布温泉へ向かう。ただし、一番バスといっても8:05発・・・もう少し早い時間帯のバスが欲しいところ。

順調に交通機関を乗り継いでも天元台スキー場のゲレンデトップ出発は9:45!
スキー場の喧噪を抜けると溶けかかったモンスターが迎えてくれた。

人形石までトラバース気味に夏路を登って約30分。標高差にして100mだ。
本日シールを使ったのはこの区間だけ!あとはシールを剥がして標高差1500m滑る一方!!!!!!!!!

西吾妻山頂をバックに主脈縦走路を滑るSoiga

暖かで風もないため雪は緩んでいてウロコ板でも快適滑ることが出来る

とにかく主脈縦走路を東に向かって滑る。正面のコブは藤十郎のピーク

視界がはっきりしているので、楽々、どんどん東へ進む。

途中、西に振り返って見えた真っ白な飯豊(写真だと分からない?)。
他にも磐梯山、朝日・・遠く月山、鳥海山もはっきりと遠望できた。

小さなアップダウンはウロコ板の本領発揮?名月荘の屋根も見えて、小屋まで快適に進む。

1階部分もだいぶ顔を出していた名月荘。
2階の窓から日差しが小屋の中にまで差し込んで、とても暖かだった。

名月荘で昼食を食べたら、小屋の裏手から雪を被った明月湖、名星湖の上を歩いて通過。
一度、夏場にも訪れてみたい場所だ。

ツアー標識が充実している吾妻にあって、大沢下りは特に多いように感じる。ガスのときは心強い。

湿原地帯を抜けると「くじらの背」と呼ばれている大斜面。やや雪は腐ってきたが、この大斜面に自分たちだけのシュプールを残すことが出来のは最高に楽しい。

おそらくこの日の大沢下り入山者は、我が家2名のみ。大斜面を二人締め状態。

この後、高い気温のためか雪が腐り気味になってやや苦戦。最近降ったであろう雪が腐り始めて結構やっかいな斜面に・・・

過去2回は夏路に沿って滑り、「忠ちゃん転ばし」と呼ばれる急斜面を転がり落ちていたが、今回は岳人ルート(沢を滑降する)で降りた・・・目の前の崖を雪庇がないところをエイッと飛び降りるところが一番の難所?

立岩付近から下は基本的に林道と林道のショートカット。沢の水も出ていて、もう春の様相
雪は猛烈に腐っていて重く、日差しは暑い。

春の証”でんでん虫雪だるまが綺麗に転んでいたので、花びらの絵を描き加えて、巨大な花が完成!

稜線上でも、林道でも大活躍のウロコ板
この雪質でシールを貼っていたら、シールに雪がくっついて高下駄状態になっていたと思うとぞっとする。

哀れ、雪がなくなりそうな林道・・・とにかく雪がある限りは板を履いて歩くが・・・

・・・とうとう雪が完全に消えた。林道から登山道に入って、地面はどろどろ。板を担ぎながら黙々と歩くしかない。

大沢スキー場に到着。ここは「市営」ではなく「私営」だったのか!始めて知った。
ま、スキー場といってもリフトもなく、駐車場も、BGMもない。ただ、傾いた小屋と婆ちゃんがいるのみ。この小屋で大沢下りの最大の楽しみビール&沢庵を期待していたのだが、既に閉鎖されていた(がっくし)。婆ちゃんに会いたかったなぁ・・・。

JR奥羽本線の旧大沢駅。例年ならこの駅のプラットホームまでスキーを履いたまま滑ってこられる
今は新幹線が通るようになって500mくらい駅の場所が移動したが廃線ファンには堪らないんじゃないかな?

この古びた倉庫のような建物の中に新大沢駅がある。初めての人はまさかこの中に駅があるとは思わないだろう。

錆びた鉄の臭いがプンプンする建物の中に上下線のプラットホームがあるだけ。もちろん、無人駅
普通電車よりも新幹線の本数が多くて、上下線20分くらいの間隔で新幹線が通過していく
無人駅にザックを背負ったツアースキーヤーの姿・・・新幹線の乗客にはどのように映るのかな(爆笑)?
ここから米沢駅まで2駅9分・・・でも、待ち時間は長くて寒かった